はじめまして!chagaです!
プロとしてアーティストのレコーディングやライブサポートでの活動や、
音楽教室や自身のオンラインスクールで講師を10年ほどしています。
その中で、イチからベースを始める方にもたくさんレッスンをしてきました。
やっぱりベースを始めたら、好きな曲を弾きたいですよね。
一般的には、市販されているバンドスコアを購入して、
ベースパートのTAB譜を見て練習していきます。
ただ、時々こんな声を耳にします。
『弾きたい曲があるけど難しすぎる…』
『弾きたい曲のバンドスコアが売ってへん…』
『急にバンド練習が決まった!急いで通せるようにせな!』
などなど。
というわけで、今日はバンドスコアがなくても
“コード”からベースラインを作って曲を弾く方法をご紹介します。
こんな方におすすめ
- 好きな曲が弾けるようになりたい
- とにかく通して演奏できるようになりたい
- 原曲通りにはこだわらないからとにかく曲が弾きたい
- 難しいフレーズが出てきて諦めた曲がある
- 急いで曲を通せるようにしないといけない
そもそもTAB譜って?
簡単にいうと、
「そこ押さえて弾いたらCDと同じ音が出るでー!」っていう楽譜です。
このおかげで五線譜(ト音記号)のいわゆる”オタマジャクシ”が読めなくても、
ベースが弾けるという画期的な楽譜です。
ただバンドスコアのTAB譜には良い面と悪い面があります。
TAB譜の良い面①
CD通りの演奏ができる。
はい、これは書いてある通りですね。
なので、次にいきます笑
TAB譜の良い面②
音符が読めなくても演奏できる。
これも先ほどチラッとお話ししましたが、
TAB譜の読み方さえ知っていれば、
- 何の音を弾いているのか
- なぜそのフレットを押さえているのか
などが分からなくても曲が演奏できます。
TAB譜の悪い面①
間違いが多い
みなさん、バンドスコアの制作される過程ってご存知ですか?
新曲が世に出るたびに、
バンドスコアも出版されていますが、
これは耳コピによって制作されていますです。
別にアーティスト側やレコード会社が、
「新曲出すでー!これ、その楽譜やからバンドスコア作ってなー!」と
資料の提供がある訳ではありません。
CDから各パートの音を聞いて、
楽譜に起こすという果てしないような作業をする仕事があるんです。
なので、どうしてもミスがあります。
また、ミスとは言えませんが
TAB譜通りでないほうがいい場合も多々あります。
ギターやベースのような弦楽器は、
同じ音でも複数の音の出し方があります。
例えば、3弦の3フレットは『ド』という音なのですが、
4弦の8フレットも全く同じ音階の『ド』という音が鳴ります。
ベースのプロが聞くと、
僅かなニュアンスの違いや前後の流れでどのフレットで弾いているが分かるのですが、
そうでない場合は判断しづらい場合も多いんです。
という意味でも、
「音としては間違っていないけど、演奏する上では自然ではない(弾きにくい)」
というパターンも多くあります。
TAB譜の悪い面②
難しいフレーズが出てくると曲自体が弾けない
「◯◯という曲が弾きたい!」と練習をし始めたけど、
一部分とてもじゃないけど難しくて弾けないというフレーズが出てきて、
曲が最後まで通せない。
という経験をされたことのある方も多いかと思います。
その部分のせいで好きな曲自体が弾けないって、
ちょっとさみしいですよね。
TAB譜だと「その通りに弾く」ということが前提になっているので、
融通が効きにくいというか、
困ったときに他の選択肢が生まれにくいです。
コードだけ見て演奏するには
バンドスコア(TAB譜)の良い面と悪い面を知った上で、
TAB譜に依存しないベースの弾き方をお伝えしていきます。
今回はあくまでも「初心者の方がコードを見て曲を弾く方法」というところにフォーカスした内容です。
「完コピを目指す(CD通りの音を出す)」という弾き方とは異なります。
コードで演奏する方法を3つのステップに分けて見ていきましょう!
STEP①コードを見てみる
バンドスコアでも、ピアノの楽譜でも必ずといっていいほど
コードの記載があります。
楽譜の上部にある、「C」とか「Am」とかのアルファベットですね。
これがコードです。
これを見ることで、
1小節目はCのコードで、
2小節目はAmのコードで・・・。
ということがわ分かります。
要するに、
1小節目はCを弾いて、2小節目はAmを弾けば、
曲が演奏できるってことですね!
ちなみに、まずは大文字のアルファベットだけ見ればOKです!
「m」とか「7」とかは見なかったことにしてください笑
STEP②コードを指板上で探す
先ほどのコードを見ることで、
CとかAとかを弾けば良いっていうのが分かりました。
次は、
どこを押さえたらそのCとかAとかの音が出るのかを探します。
この表を見てみましょ!
この表を見ると、
「C」の音は3弦の3フレットにあることが分かります。
「A」の音は4弦の5フレット、3弦の開放弦にあります。
(これはどちらでもOK!)
この時いくつかポイントがあります。
1、基本的には3、4弦で音を探す
実は3、4弦の1〜6フレットだけで全てのコードが弾けちゃうんです。
それにベースは比較的低い音を演奏することが多いので、
まずは3、4弦で音を見つけられるようになりましょ!
2、♯や♭が出てきたら一つとなりにずらす。
上の図にも書いていますが、コードに♯(シャープ)や♭(フラット)がつく場合もあります。
そんな時は焦らず1フレット左右にずらしてください。
STEP③コードからTAB譜を作ってみる
これをふまえてコードからTAB譜を作るとこうなります。
曲によってリズムは異なることはありますが、
今回は8Beatの曲(8分音符が多く出てくる曲)と仮定して作りました。
曲を聞いてジャーンて伸ばしていたら合わせて伸ばしたらいいし、
バンドスコアを見てリズムだけ真似るのもいいっすね!
とにかく弾いて違和感がなければOK!
自分の感覚を信じてください。
これを既存の曲に当てはめて考えてみましょう!
空もとべるはず/スピッツ
この曲ってパッと聞いた感じだとゆったりした穏やかな雰囲気ですが、
実は結構ベースラインは動きまくっています。
なので、バンドスコア通りって難易度としては高め。
挫折した経験がある方もいるかも。
これをコードで演奏してみましょ!
この曲のサビ部分のコード進行はこうなっています。
先ほどの指板表をもとに押さえる場所を探して、
TAB譜を作ってみると・・・
こうなります。
これでOK!
もしかしたら、
「え?めっちゃかんたんになってるやん。これをバンドで弾いても変にならん?」
って思う方もおられるかもしれません。
動画にしてみたので、
実際に聞いてみてください。
原曲のベースラインとは違うけど、
曲を通して演奏する上で違和感なく聞こえますよね。
こんな風にコードからベースラインを自分で作れるようになれば、
曲を弾くハードルがグンと下がります。
やっぱり好きな曲を弾いてベースを楽しんでもらいたいので、
TAB譜通りじゃないとダメ!と考えずに、
まずは自分の弾ける方法でベースを楽しんでもらえたら嬉しいです。
1曲まるまるコードで演奏してもいいし、
難しくて弾けないところだけコードを見て演奏するのもよし!
慣れたらちょっとずつ原曲の通りにしていくっていうのもいいっすね!
自分が楽しめたらそれでOKだと思います。
“ベースを弾く方法の一つ”として、
コードをみて演奏するというのを知ってもらえたら嬉しいです。
ありがとうございました!